今週のNHK「ダーウィンが来た!」は、砂漠の怪獣モロクトカゲの特集ですね!
恐竜のようなイカツイ見た目に反して おとなしく、様々な特技を駆使して生き抜くモロクトカゲの生態をご覧ください(*^_^*)
砂漠のトゲトゲ怪獣 モロクトカゲ
モロクトカゲ(Moloch horridus)はオーストラリアのほとんどの砂漠に生息する、イグアナに近い小さなトカゲです
トゲに覆われた物々しい姿から、邪教の悪魔モロク(元は古代エルサレムの神モレク)の名前が付けられました。
【モロク(Moroch)とは】
ですが実際には、毒もないし動きもゆっくり。とってもおとなしいトカゲなんです(*´ω`*)
可愛い手乗りトカゲ・アリの早食い
普段は巣穴の中や草の陰に隠れていて、涼しくなると外に出掛けてアリばかり食べています。
一分間に40匹のアリを食べる早業をもち、一日5000匹も平らげる大食らい。
オーストラリアの爬虫類を代表するトカゲで オーストラリア人にとっては馴染みのある動物だそうですが、実際にその姿を見た人はあまりいません。
なぜなら、彼らは擬態がとっても上手なんです。↓
小石に溶け込むモロクトカゲ。
体の色を少し変えることができて
気温が高い(日が高い)時は体の色を明るくし、
気温が低いときは体の色を暗くするというこだわりよう。
まるでカメレオンみたいですね。
モロクトカゲのトゲトゲ
モロクトカゲの体中の棘は、砂や小石の多い所での擬態にも役立ちますが
やはり一番の目的は天敵から身を守るため。
こんなに硬くて鋭いトゲトゲがあると、食べるのをためらってしまいますね。
それでも容赦なく襲ってくるトカゲや鳥などもいるのですが、
そんな時のためにあるのが首の後ろにあるコブ。
天敵から見ると このコブが頭のように見えるのです。
この偽の頭を食いちぎられても、モロクトカゲは全然平気。
敵にコブを食べている隙に身を隠すのです。
やっぱり賢いですねえ。
砂漠で生きるモロクトカゲの水分補給法!
どうやって水を得るかが砂漠の生き物の一番の課題。
モロクトカゲの場合は、水分を全身から取り込むことができるんです!
トゲの先端から足の先まで、全身の表面には幅5~150マイクロメートルの細い溝が伸びていて、体に触れた水分は毛細管現象によって口元に集まるようになっています。
(毛細管現象…細い管の中で、液体が吸い上げられる現象)
まるで全身スポンジのよう。
これにより朝露などのわずかな水分も逃しません。
のどが渇いたら地面にお腹をこすり付けて、地面の湿気をいただくこともあるんだとか。
モロクトカゲ 恋の季節
9月、オーストラリアではジャガランダの花が咲きほこる春の季節。
モロクトカゲは繁殖期を迎え、ちょっぴり凶暴になります。
縄張り争いに勝ったオスは自分より大きなメスとつがいになり、二人で数十センチもの深さの巣穴に卵を隠します。
砂の奥深くで安全に孵化した子供たちは、なんと自分たちで砂を掘り進んで外の世界へ飛び出していくんです。
産まれてすぐに厳しい試練を乗り越えた子供たち。これからはそれぞれ一人で生きていくんですね・・
モロクトカゲに会うには?
恐竜のようなカッコいい見た目から、多くの爬虫類ファンの垂涎の的であるモロクトカゲですが、残念ながら日本の動物園で見ることはできません。
オーストラリアでは固有の動物を輸出することが厳しく制限されているので、モロクトカゲが日本にやってくることはほとんどないんです。
ましてや個人で飼うなんて夢のまた夢。
(もし飼えたとしても、エサに毎日何千匹ものアリを用意することは難しいでしょうね。)
そんなわけで、モロクトカゲに会いたいなら現地オーストラリアに行くしかありません。
彼らはオーストラリア東部を除くほぼ全域で生息していますが、やみくもに歩いて発見するのは困難です。
各地の動物園で繁殖していて、特にエアーズロックのあるウルル=カタ・ジュタ国立公園ではたくさんのモロクトカゲに会えるもよう。
他にも、オーストラリアならではのたくさんの哺乳類や植物を見ることができますよ。
世界遺産 ウルル・カタ・ジュタ国立公園について
ウルル=カタ・ジュタ国立公園 観光情報
モロクトカゲを探すなら、動きが活発になる、日の出から午前中の涼しい時間帯が狙い目。
植物の生えているところや、大好物のアリやアリの巣を探していくと、捕食中のモロクトカゲにばったり出くわすかもしれません d(^_^)