今週のNHK「ダーウィンが来た!」は、アフリカの人里で暮らす賢いサル、ザンジバルアカコロブスの特集でしたね!
先週の次回予告の「硬くて黒い魔法の食べ物」というのが気になってしょうがなかったので、思わずフライングで調べたところ・・過酷な環境で編み出されたザンジバルアカコロブスの知恵に驚かされました。
人里で暮らす愛らしいおサルさん
今回の舞台はアフリカ、タンザニア沖にあるザンジバル島。
http://blog.livedoor.jp/takemutravel/archives/42273499.html
ザンジバル島は澄んだ海に綺麗な夕焼け、スパイシーなザンジバル料理などでリゾート先として人気の島なんです。
そんなザンジバル島の人里近くの木々でひっそりと暮らすのが、白いお腹に黒い顔のおサル、ザンジバルアカコロブス。
ザンジバルアカコロブスはザンジバル島だけに暮らすアカコロブス科のサルで、背は50~60cmと小さめ。
その代り、尻尾が体よりも長くて、とってもすばしこいんです。
小さな体と長いしっぽがなんともキュート。
赤コロブス(Red Colobus)というだけあって、背中は赤毛になってます。
彼らはジョザニ森林保護区などに30~50匹くらいの群れで暮らしていますが、森に住んでいる群れは警戒心が強くなかなか発見できません。
一方、かなり人に慣れている群れは道路や民家の近くにも出没します。
彼らに会いたいときは、保護区に入るよりも人村の道端や木の上を探したほうが見つけやすく
運が良ければ群れに近づいても逃げないとか。
村人と仲の良いサルは人の近くで遊んだり、お尻を見せつけ求愛してくることすらあります
道路にはサル横断注意の看板も。
http://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/nakamura/photo/3/animals9.html
車に轢かれないように、サーカスの曲芸のように電線を伝って侵入してくる群れもいます。
彼らの目的は住民が育てているランブータンやレンブなんかの果樹の葉。
(ランブータン)
(レンブ)
(レンブの葉)
木々の上で暮らすザンジバルアカコロブスは、栄養価の高い木の葉っぱが大好物なんですね。
ザンジバルアカコロブスの魔法の食べ物
コアラが毒のあるユーカリの葉ばかりを好んで食べることは有名ですが、ザンジバルアカコロブスもかなりの奇食家。
といっても彼らの場合、植物の種類が少ない地域で暮らしているので、選んでられないというのが真実なのですが・・・
普段からモモタマナなど、植物毒(アルカロイド)を持った木の葉や花ばかりを食べているんです。
おかげで彼らの胃には毒が貯め込まれています。
2006年のどうぶつ奇想天外では、犬がザンジバルアカコロブスの肉を食べたら死んでしまったという現地の人の証言とともに、恐ろしい毒ザルとして紹介されました。
もちろん彼らも毒にやられるわけにはいきませんから
毒が体に回らないように4つも胃袋を持っていて、バクテリアの力を借りて消化していますが
それだけでは解毒が間に合わず、調子を崩すこともあります。
そんなとき、ザンジバルアカコロブスが見つけた魔法の食べ物とは…
なんと、炭だったのです!
人間の間でも密かにデトックス効果が注目されている食用炭。
炭を食べると、分子サイズの小さな孔に毒素を吸着して、体の外に排出してくれると言われています。
(活性炭カプセル)
体の具合が悪くなったザンジバルアカコロブスは、山火事や落雷でできた植物の炭を探し出して、一心不乱にむさぼります。
人の焚き火の跡をあさって手に入れることも。
最初に食べたサルは、一体どうして炭なんか食たべてみたのでしょうか・・?それは謎ですが
炭を食べてみたら体の調子の良くなったことで民間療法として広まり、
ザンジバルアカコロブスの間に代々伝えられてきたんでしょうね。
こんなふうに、人にも懐いてとっても賢いおさるさん。
今は森の開発などで数が減ってきているそうですが、これからも独自の文化を伝えながら元気に暮らしてほしいですね。